開業の夢を後押ししたのは、
〝人〟のぬくもりでした

早乙女 充さん(38歳)
苫小牧出身。京都の大学を卒業後、京都、イタリア、東京でイタリアンのコックとして働く。現在自店のオープンに向けて準備中。
※年齢は2018年10月取材時

栗山を選んだ理由

コックとしてずっと、「生まれ育った苫小牧で自分の店を持つ」という夢を描いていたんです。ですが、2歳下の弟に「地元にこだわらなくても、好きな場所に移住して店を出したらいいんじゃない?」と言われて、あ、そうかと。自分たちにとって良い場所を探そうと、場所選びの視点を変えてみることにしたんです。
具体的にお店の場所を探すために動き出したのが、昨年の10月。栗山町の生活体験事業である「ちょっと暮らし体験」を利用してシャトレーゼコテージに約1カ月間滞在しました。その時に対応してくれた栗山の役場の人たちが本当に親切で……。さらに気になっていた「エコビレッジ湯地の丘」を実際に見て、移住を決意したんです。

暮らしてみて

今は「湯地の丘自然農園」で、農作物の仕分け作業などの手伝いをしているんですが、とにかく出会う人みんなあったかいんですよ。「働くっていうのは、側(はた)の人を楽にするってことなんだよ」と教えてくれるおばあちゃんがいたり、歌いながらも楽しく堅実に仕事をこなす中国人の実習生がいたり、いろんな人と触れ合って、いろんな人の働き方を見て、自分までも人間的に成長した気がしています。栗山に移住してまだ4カ月しか経っていませんが、その実感はものすごくあるんですよ。
「人がいい 自然がいい 住み心地がいい 栗山町」というキャッチコピーを見かけましたが、本当にその通り。「人がいい」んです。移住の不安点って、周りの人とうまくいくかどうかだと思うんですが、その心配がまずない。これってすごいことですよね。あと、言うまでもないですが栗山の美しい風景が気に入っています。農場が高台にあるので、通勤中に栗山の町並みを一望できるんです。仕事帰りにここから夕暮れを見たら疲れなんて吹っ飛びますよ。もう一回仕事したいくらい(笑)。

これからのこと

「エコビレッジ湯地の丘」内に店を構えることにしたので、今は来年のオープンに向けて準備中。イタリアンのコックとして働いてきましたが、そこにこだわらず、和の食材を取り入れたりして柔軟にメニュー展開を考える予定です。もちろん地物野菜を中心に使いますよ。栗山にはたくさんの品種の野菜がありますからね。直売所では生産者の顔が見える野菜の売り方をしているので、お店でもそういった野菜を使っていければと思っています。

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