自然に触れ、人に触れ、
夢を叶えることができました
四季の移ろいを望める店内で、一品一品に思いを込めた料理を提供。
移住の地で念願の開店へ
湯地の丘にレストラン『サメオト』をオープンしたのが、前回の取材から3年経った2021年。いろいろな方々の支えがあり、おかげさまでスムーズにお店を構えることができました。
店舗を建設するにあたって、建築会社は何軒か検討するものだと思うのですが、栗山町ブランド推進課の方に紹介していただいた岩見沢の『武部建設』さんの世界観にどはまり。「ぜひこの方たちにお願いしたい!」と即決しました。フィーリングなんでしょうかね。雰囲気やデザインについては具体的なテーマはなかったので、妻や設計士さんを交えて細やかに擦り合わせました。お店の中央にある梁や柱も『武部建設』さんで所有している古材を使用したんですよ。経年による傷や色むらは塗装して隠す場合が多いのですが、私たちはそれらを「味」と捉えてあえて残しました。
一期一会の一皿を
お店のコンセプトは…和と洋の融合、といわれるとそうかもしれませんね。料理も、そしてこの空間も。料理はその時々にご縁のある素材を使用しているので、いわゆる定番メニューがないんですよ。自分の料理のルーツもベースもイタリア料理ですが、ここは米どころ栗山ですからやはりご飯を提供したい。そういった感じで、特化したジャンルを持たないようにしています。
栗山町の食材は何にでも寄り添える魅力を持っていますよね。その特性を生かして、姉妹都市の宮城県角田市の合鴨に栗山の季節の野菜を添えたりと、まるで都市間交流のように味わいの掛け合わせを楽しんでいます。
人と人が引き合う町
料理に向き合う時、人の顔が思い浮かぶんです。この野菜を生産してくれているあの人、この料理を教えてくれたあの人、そしてもちろん料理を待つお客さま。人と接することで自分が見えてくることもあるので、人との関わりを大切にしています。都心で仕事をしていたら生産者の顔までは思い浮かべられないでしょう。
栗山町に移住して丸6年経ちますが、人と人が引きつけ合う“引力のある町”だと感じるんです。それも自由で、個性的で、面白い人。そういった方たちに、生き方も含めて気付かされることがたくさんあるんです。
いつか自分たちの生活を見て、「栗山ってすてきな町なんだな」と感じて来ていただいたり、影響を与えられる存在になれたらうれしいですね。
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