理想を追い求めていたら、
栗山に辿りつきました
やりたいことをやるため、移住
もともと趣味でサーフィンと陶芸をやっていて、料理を振る舞うことも大好きだったんです。陶芸教室に調理器具を持ち込んでは、仲間たちにランチを作ったりしていたところ、「ロクさん、船橋でカフェやってよ」「会社辞めたらね」なんて冗談半分でおしゃべりしていたこともありました。
しばらく経ったある日、自分のやりたいことを実現しようと思い立って、陶芸の先生や周りの人に相談して会社を退職。その後の古民家探しは苦戦しました。
当時住んでいた船橋や房総半島には予算を含めて条件に合う物件がない。実家のある北海道まで範囲を広げた時に、妻が不意に「栗山町は? 私栗好きだし」と言ったんですよ。江別市出身とはいえ特に印象のなかった土地でしたが、栗山町まで範囲を広げてみたところ、この物件を見つけました。昭和47年に建てられた農家さんのお家で、「でっかい家だな!」と直感的に気に入って決断。1年半かけてリフォームを行い、ようやく移住、開業に至りました。
栗山町の人たちのやさしい輪
この物件に出会えたのも、役場の方が紹介してくれたから。そして役場の方が親切な不動産屋さんに出会わせてくれたからなんですね。不動産屋さんがとても面倒見がよく、行動力のある方で。初対面にも関わらず状況をじっくり聞き、栗山町について何も知らない私のために他の古民家カフェや『くりふと』など、町内をぐるっと案内してくれました。他にも2名ほど引き合いがあったようですけど、最終的に私に決めてくれて本当にうれしかったですね。物件を売って終わりではなく、その後も親切にしてくれるなんてなかなかないと思います。
栗山町の人たちって本当に皆さんあたたかいんですよ。誰かと繋がると、どんどん輪が広がって、手を差し伸べてくれる。閉鎖的ではなくオープンな町なので、とても安心できるんです。
陶芸とカフェ。夢がカタチに
このお店はカフェに陶芸体験ができる工房が併設されています。とある場所の湧き水で淹れたコーヒーや、素材にこだわったカレー、パスタ、デザートなど、私が自信を持って腕を振るった料理を、口当たりや見た目にもこだわって作り上げた器でお出ししています。料理と器の両方を楽しんでいただけるとうれしいですね。
陶芸は3時間でできるので、町外からもお客さんがいらっしゃいます。お店にある棚は、自分の作品ではなく、お客さんの作品を並べるために作りました。いつかこの棚が埋め尽くされたらいい風景になるんじゃないかな、なんて思っています。